
えーっと、暗くて痛いお話のつもりです。
感じかたの問題なので、全然大丈夫かもしれませんが……
タイトル含めて考えていただいた上で読むかどうかを決めてみるといいかもしれません。
「・・・・・・っ」
戸から泣き声がもれる。
本来誰にも聞かれないで済む声をヤエが聞いていた。
「タタミさん?」
「!! や、ちょ、待っダメッ!!」
不意の問いかけに声がおかしくなる
「どうかしたんですか!?」
拒否の意思はその異常さ故にヤエには届かなかった。
「ど、どうかしたんですか?」
部屋に一歩入ったヤエはもう一度声をかけ、
部屋の真ん中でへたり込んでいるタタミを見つめる。
「な、なんでもないんよ?」
「ちょ、ちょっと眠ってて、変な夢」
「タっタタミさんっ!」
半袖シャツの袖口に赤い染みが少しずつ広がっていく。
ヤエは混乱しながらも、手当てをした後、七部袖のシャツ着せた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「い・・・ままでも、してたんですか・・・?」
ヤエが静かに口を開くと落ち着きかけたタタミは怯えるように震え、また泣きはじめた。
「聞かせて・・・・・・欲しいです」
「・・・・・・きゅ急にさびしくなって!なんかもう・・・」
「どうしようもなく・・・って!わけが分から・・・なぐ・・・って!」
「違うの!・にたくなったんじゃな・って!!」
息が詰まりながらも構わずに喋り続ける。はっきりと聞き取れない。
「だいじょうぶ・・・ですよ?」
涙を浮かべたヤエがつぶやく。
「だいじょうぶですから。」
はっきりと、やさしく、なぐさめるように。
タタミはヤエの腕の中で「ごめんな」を繰り返した
先ほど駆け寄ったヤエの腕に刃が当たってしまったことに対するものだろうか
「全部、聞かせてもらえませんか?」
「嫌いになったりしません。こうなってもまだ私はここに居るじゃないですか」
長袖の上から傷口に軽く手を当てながらゆっくりと話しかける。
タタミがぽつぽつと話し始める。
「うち、小学校の頃ずっと独りやったんよ」
「きっかけなんて何があったかなんて覚えてないし、何もなかったのかもしれんけど」
「急に独りになって・・・・・・中学になってそんなことなくなったんやけど」
「時々一人になるとフッと戻ってきて」
「違うんよ?今は。今はそんなことないんやけど」
「でも、時々急に独りになるんよ」
まだ混乱しているのか、何があったのかはよくわからない。
しかし、ヤエにはもう十分だった。
「簡単には忘れられないですよね。」
「したくはないんよ?」
「はい。」
「でも、なんか、逃げれるいうか」
「これからは私に話してもらえませんか?」
「でも、それじゃ、ヤエちゃんが」
「迷惑だなんて思いませんよ。それに、もう、一つ分けてもらいましたから」
「ごめんね」
「約束ですよ?」
「うん。わかった」
解説(と書いて言い訳と読む?)
やさしい人は必ず「痛み」を知ってます。
タタミのやさしさはかなり強い痛みが裏にある気がしました。
このタタミは私(ろぅ)がベースです。
(私がやさしいかは別の話ですが)
私は刃を当てたり引いたりしたことはありませんが、
そんな気持ちになることはあります。
(ストレスの発散の一つの形だと聞きました)
もう、過去のことで、周囲の環境も違います。
それでも一人で居るとフッと空虚感が襲ってくるんです。
それだけ後を引くんです。
兎に角、えーっと、
八重と多汰美とは、まぁ、別の人です。
手首と思われがちですが、分かり難いように手足の付け根でやったりするそうです。
フラッシュバックは薬物だけではありません。
まぁ、そんな感じで、ヤエSIDE
夏の暑い日。
マキシは買い物へ。ニワは家族と旅行中。
母は仕事。
中学の時の同級生と遊ぶ予定がつぶれたヤエは、
家に戻ってタタミとゲームでもと思って部屋の前に立った。
辛そうな泣き声が聞こえ、あわてて中に入る。
「だっ大丈夫だから・・・・・・っ」
と手で追う払おうとするタタミが握っていたカミソリがヤエの腕を少し切った
ヤエは誰にも見られたくはないだろうと思い、
外から分かり難いように薄く包帯を巻き、袖の長いシャツを出して着せる。
よく見れば肌には他にも薄く線が浮いている。
触れるたびにビクッと震えるタタミを見ながら、ヤエは言われぬ興奮を覚えている。
タタミには過去に嫌な事があったらしく、今でもその頃のことが思い起こされるようだ。
ヤエはいとおしく思いながらぽつぽつと零れる言葉を聞いていた。
「でも・・・・・・誰にも言えなくて、隠してるのが辛くて」
「タタミさん」
「でも、こんなこと話して・・・もし」
「タタミさんっ」
「・・・・・・え?え?なんでヤエちゃんが泣いとるん?」
ようやく顔を上げたタタミはヤエが涙を流しているのに気が付いた
「わ、私も告白しますね」
「・・・?」
「わたし、可愛いものがすきなんです」
「でも、それって自分より弱いものなんです」
「困ってる顔が大好きなんですっ」
「今もタタミさんが可愛いんですっ」
「どうしようもなく傷付いてるタタミさんをみても可愛いと思ってしまっ・・・」
全て話すために一気に話した
息を切らした最後に小さく「ごめんなさい」と
「えーっと、ありがと・・・・・・」
「えっ?」
「おあいこやね」
「はいっ」
続きが少し浮かんでもいますがこれでおしまいです。
このヤエは私の傷フェチの部分の投影です。
物理的なものもそうですが、精神的なものも含みます。
私は可愛いものが好きで、ぬいぐるみ売り場は私にとって鬼門です。
早々に立ち去らねばお財布が大変なことに・・・・・・閑話休題
可愛く思うのはそれを自分より弱いと思うから?
だとすれば、これはかなりの傲慢のようだぞ?と最近思いました。
あー、それから。本当のことが言いあえる相手は宝物です。